■この国のかたち〜涅槃会

2月15日は、お釈迦様がお亡くなりになった日にちで「涅槃会」といいます。 (曹洞宗・富川山長安寺の涅槃図)お悟りを開かれたお釈迦さまはその後、45年にもわたり、人びとに教えを説く旅を続けられました。その間、多くの人びとがお釈迦さまの教えに導…

■ 3.11 脱原発と小泉ロジックの限界

■3.11 脱原発と小泉ロジックの限界 東日本大震災で亡くなられた方に哀悼の意を表します。 ●脱原発の文脈 原発問題に特に思い入れがあるわけではないが、小泉さんが言う所の「電力総連、原発推進の労組票は50万票もない。脱原発票を掘り起こせ」という議論は…

■この国のかたち〜紀元節、天長節

●建国記念日 世界で「建国記念日」を法律で定めて祝日とする国家は多いが、何をもって建国記念日とするかは、国によって異なる。日本では、建国の日が明確ではないため、日本神話を基に、建国を祝う日として「建国記念の日」が定められた。 2月11日は、日本…

■この国のかたち〜節分

■節分 本来は季節の分かれ目の意味であり、二十四節気の立春、立夏、立冬の前日をさす。その中でも、旧正月に近い立春の前日がもっとも重要だとされており、現在では立春の前日のみを節分と称する。 ●豆まき 節分の夜には炒った大豆を一升瓶に入れ…

■この国のかたち〜小正月

■小正月 1月15日を中心とする時期を小正月といい、この時期にどんど焼きや繭玉など様々な行事が行われる。いずれも農耕に関わる儀礼でこの時期に模擬的に農作業を行い、あるいは豊作の様子をつくることによって秋の実りを予祝するものといわれている。 ●ドン…

■この国のかたち〜成人式

■成人の日 成人の日は、昭和23年に作られた国民の祝日に関する法律で「1月15日は大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます日」と定められた。成人を祝う習俗は、各地でそれぞれ決まったやり方で行われている。しかし、それは必ずしも…

■この国のかたち〜七草粥

■七草粥 正月七日の朝七草粥を食べて祝う行事。正月のご馳走で肥えた舌を休める行事である。七草の種類は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ、ホトケノザ、スズナ(蕪)、スズシロ(大根)であるが、全て入れることは稀で、地域によってまちまちである。また…

■この国のかたち〜正月

■正月 ●正月の準備と年越し正月の行事は元日を中心とした大正月と1月15日を中心とした小正月があります。暦の普及と共に元旦に歳神祭りや公的な儀礼が行われるようになりましたが、稲作農耕を営む人々の間には農作業にとりかかる適期である満月の日を重視す…

■寅さんぽ 甲府〜舞鶴城

我が第二の故郷、山梨県の中心地甲府城にきました。南東には富士の頭が顔を覗かせ、北西には八ヶ岳をはじめとする雄々しき山々が雪を被っています。夜になれば甲斐善光寺の裏山から望む夜景は暗い山に囲まれた盆地での人間の生活と甲州人の輝きと重なってな…

■寅さんぽ 川越をゆく

川越は東京国際大学の最寄駅、霞ヶ関の辺りをぶらり歩きます。そこには義経、後白河院の名前の石碑が至る所にあります!京都に迷い込んだのかと思いきや、川越の歴史と中央の密接な結びつきが見えてきました。 坂東八平氏である秩父氏の嫡系にあたる一族河越…

■寅さんぽ 諏訪を歩く

●諏訪湖 ワカサギ釣りの名所である諏訪湖にはとこで釣り名人の佐々木と行ってきました。近年では温暖化の影響で氷が貼りませんが、2月には湖に氷が貼る事もしばしばあるとか。ワカサギは2人で40匹ほど釣れました! 冬期に諏訪湖の湖面が全面氷結し、氷の厚さ…

■没後50年 三島由紀夫と戦争体験

戦争体験というものが必ずしも、戦闘の前面に出て人を殺したり、幾つもの死体を見てきた事だけを意味するものではない。三島が述べているように俺の方が多くのの死体を見たとか、俺の方が貧しい生活を送ってきたなどの一面だけを切り出して議論することはナ…

■河岸段丘の形成要因と多摩川が生み出した地形

■河岸段丘の形成要因と多摩川が生み出した地形 ○河岸段丘とは 河岸段丘は河川の浸食作用や土地の隆起によって形成される地形で、平坦な部分を段丘面、傾斜部分を段丘崖と呼ぶ。段丘面では地下水面が低く、段丘崖では湧水が出ることが多い。今回は多摩川がつ…

■箱庭療法と日本の伝統・文化

■箱庭療法実践と日本の伝統・文化教育の教材開発研究 教育心理学の一環で、箱庭療法は当初、主に特別支援教育や子ども用のセラピーとしてユング研究所の河合隼雄によって日本で発展してきた。複雑な概念や言語構成の発達が未熟な児童に対して箱庭を用いる事…

■戦後保守と戦争体験に対する考え方

●戦後保守とは何か 戦後保守政治を定義すると抽象的で想像の域を出ることはないが以下のような特徴を有していると言える。 ・自由で開放的な国際協調主義、平和主義を掲げて、国力にあった日米同盟基軸の外交と防衛を重視する政治。 ・前の世代から次の世代…

■「はだしのゲン」は終わらない

今、自分の少年期を振り返ると多摩地域特有の学校環境で、担任の先生も司書の先生も熱心に平和教育をやってくれた。小学生の時、休み時間に図書室に通って読んだ「はだしのゲン」の衝撃は忘れられない。あの10巻の漫画の中には、原爆の惨状だけでなく、「国…

■古代中国の儒教精神と「孝」の再考

●親孝行、敬老の精神を学校で教えるべきか ・古代中国の儒教精神と「孝」の再考 儒教では理想的精神である「仁」とは「礼」に従うことであり、かつ「仁」を広く社会に おいて実現させる手段であると孔子は答えている。そして、具体的には「礼」を一…

■『一つの花』の教材開発研究

●『一つの花』の教材開発研究 今回、学芸大学の国語科所属院生と協同で、初等教育における平和教育教材開発を行いました。今回は今西佑行さんの『一つの花』を教材にして、近代文学の語り手に着目した読みを通して言語表現を分析し、平和意識を育むことがで…

■日本型福祉レジームとは何か

●日本型社会福祉レジームの限界 日本の社会保障制度は実に特異である。エスピン・アンデルセンが指摘する先進福祉国家 の3類型(イギリス、アメリカをはじめとする個人や家族の自助努力を重んじる自由主義レ ジーム、大陸欧州を中心とする…

■ポスト安倍の行くへ

一年後に迫る自民党総裁選に向けて党内の政局が慌ただしくなっている。安倍4選が囁かれる中で、政権の支持率が落ち込みポスト安倍レースが白熱してきた。今回はポスト安倍、ポスト安倍の次を見越した自民党内の政局について分析していく。 ●平時の岸田文雄、…

■2020都知事選考

まず、今回の都知事選は小池の一本勝ちという結果に終わるだろう。コロナ対策及び危機対応時における、現職候補の落選の可能性は極めて低い。また、与党の自民党、公明党が候補者、公認を出さずに自主投票を決定している。前回の都知事選での恨み節がある自…

■沖縄慰霊の日

●沖縄戦に対する本土の認識不足 四年前に高校時代の野球部の先輩と沖縄を訪れた。初日の夕方、先輩達は沖縄の忠霊塔のある公園に車を止めて肝試しをやると言い出した。私は沖縄戦の犠牲者の前で、そのような敬意を失した行為はできないと思って先輩にたてつ…

■選択的夫婦別姓について

稲田朋美が次を見越してシフトを大衆に広げている。これに対して自民党内に新たな保守勉強会が立ち上がった。稲田のリベラル化で顕著なのが選択的夫婦別姓容認である。僕は選択的夫婦別姓には断固反対。もし、別姓が導入され、別姓世代が数代にわたって…

■ドイツの政治教育を問う

●なぜドイツなのか 社会的争点から考える政治教育 近藤孝弘『ドイツの政治教育』岩波書店、2005 現実の政治を理解し、批判し、参加する能力を市民が身につけることは民主主義社会の 形成には欠かすことのできない基礎であり、そのために市民は教…

■ベルリン陥落にみるナチスの優生思想

映画『ヒトラー最期の12日』は第三帝国の崩壊をベルリン市街戦と地下壕の生活を中心に扱っている。ヒトラーの秘書を務めたユンゲの証言を元にしたナチス中枢の末期を描く作品である。 ●ナチズムの優生思想 この映画はナチスドイツのファシズムと優生思想の拡…

■宏池会政権は成し得るか

大平先生はじめ宏池会OBは今の安倍政権をどんな気持ちで見ているのだろうか。政権発足からとどまる事を知らない財政支出に安保関連法。。 皮肉な事だが古賀先生と野中さんが安倍にフリーハンドな政治を与えてしまった。二人の最大の功績は公明党の抱き込みと…

■北朝鮮拉致問題について

先日、拉致家族会の横田滋さんが亡くなられた。安倍政権の元で北朝鮮との拉致問題は硬直状態が続いている。拉致問題は既に1980年代から政治問題となっていた事を考えると余りに遅きに失したと言わざるおえない。もともと1980年代から90年代初頭まで日本での…

■安倍政権の恣意的な人事介入には反対

安倍政権の恣意的な人事介入は今に始まった事ではない。憲法解釈の変更を断行した際にも内閣人事局長官の首をすげ替えた。この長期政権の特徴の一つは人事というカードにあると考える。「内閣人事局」の設置は明治維新以来の官僚制国家の我が国の体質を大き…

■憲法と教育と民主主義

今日は憲法記念日です。戦後の日本の歩みを振り返り、我が国の憲法に敬意を示したいと思います。日本人として私は日本国憲法を誇りに思うと同時に、後世にも我が国の憲法の理念を守り育てて欲しいと願っています。 ●戦後の「昭和という時代」 日本の民主主義…

■ 汗をかかない民主主義

●汗をかかない民主主義 近年の世論調査では、日本人の民主主義に対する信頼度は諸先進国と比較しても高く、日本国民に民主主義という理念は相当根強く浸透していることがわかる。一方で、日本国民が不信感を持っているものとして①政治のアクターとしての政党…